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2007年1月17日 (水)

PRTR大賞

化学物質管理とリスクコミュニケーションに関する表彰制度として、「PRTR大賞」というものが(社)環境情報科学センターによって作られております。
今年は2月3日に東京で開催されるようです。

企業や自治体の方々にとっては、すでに化学物質管理と言えば、真っ先に出てくるのがこの「PRTR*」ではないかと思います。
(*:正式名称はPollutant Release and Transfer Register:化学物質排出移動量届出制度と言います。)

そもそもPRTR制度は、世の中に何万種類とある化学物質が、どこから移動(製品中に含まれるものを含む)したり、排出されているか、ということを定量的に捕捉・集計し、公表することを目的としたものです。
日本では、「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」(化管法)により、1999年に法制化されました。

環境省でも、「PRTRインフォメーション広場」というサイトを作成して、その普及啓発に取組んでいます。

社会におけるリスク管理という観点から、こうした定量的なデータベースが整備されることによって、市民としてもこれらの情報を用いた地域の状況が分かります。
同時に、企業や自治体としては、地域における排出量を総合的に見て、その有害性の大きさとあわせることで「化学物質によるリスク」を算出し、削減対象の優先順位や、対応の取り方を検討することができます。

ただし、実際にはこれらの情報が有効に活用されている事例としては、大学や研究機関、NPOなどによるリスク評価の実践が中心であるように感じられます。

1つの打開策は、言わずもがな、PRTR情報を用いたリスクコミュニケーションです。
その先進事例をこの「PRTR大賞」を受賞される企業さんたちは実践し、また地域と共に化学物質管理について考えてきたと言うことができます。

PRTR制度に限らず、こうした環境管理やリスク管理の制度が整備されても、その後の活用方策において今一つ成果が見られない事例はいくつもあります。
残念なことに、環境報告書やCSR報告書、環境会計なども、ある側面ではそのような部分があります。

これは個人的なコメントですが、やはり情報は何らかの「受け手」がいるから意義があるわけで、その「受け手」に対して、「送り手」の思いがや意図が届いているかどうかは、確実に双方の対話を通じて確かめることが重要です。
これによって、本来の意味での相互交流を意味するコミュニケーションが成立し、よりよい社会や地域のみならず、組織や人を作り上げていくことにも寄与するのではないでしょうか。

より広範なステイクホルダーの活用によって、この制度が生きるか死ぬかを決めると言えます。
現在の「PRTR大賞」では、PRTRとリスクコミュニケーションを実践している事業者さんへの表彰制度という色合いが濃いですが、いずれは市民団体やNPO、研究機関なども対象になるかもしれませんね。

Book PRTR・MSDS対象化学物質の毒性ランクと物性情報―化学物質の適切な管理とリスクコミュニケーションのために

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