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2007年5月 9日 (水)

信越化学工業が公表したヒヤリハット

5月1日の信越化学工業さんのHPに「ヒヤリハット事例の公表について」というプレスリリースが掲載されました。

3月に発生した新潟での爆発火災事故を踏まえて、現場における安全対策の一貫として、事故につながる要因の抽出を全社的に実施されたということです。

「ヒヤリハット」という言葉は、あまり耳慣れない方もいるかと思いますが、文字通り「ヒヤリ」としたことや「ハッ」としたりすることを指します。
つまり、「事故を起こすのではないか」、あるいは「危うく事故になるところだった」というような状況のことで、車を運転するときなどに、私たちもよく経験していると思います。

通常、こうした「ヒヤリハット」情報の収集は、危険な作業が多い現場や病院のような人命に直結する現場においては積極的に実施されているようです。
つまり、効果的なリスクマネジメントの実践にはやはり欠かすことはできない情報だと考えられます。

その一方、どのように生かすか、あるいは情報として水平展開を図るか、という点では、それぞれの組織に委ねられているのが現状です。
ただ、今回の事例はこうした社内情報を「開示」したところに意義があると思います。

ともすれば、社内の弱点を世の中にさらすことになるかもしれない一方、こういう取り組みを進めて事故の芽を摘んでいくことで、結果的に対策を取るという宣言を社会に約束することになります。
同時に、社会的・客観的な視点から関心を持つステイクホルダーにより、また別の視点からの対策案やヒヤリハットに対する疑問なども寄せられることでしょう。

結果として、社会に対して透明な形での現場での安全対策を進めることとなり、将来的には安全のみならず、環境や社会貢献、CSRや事業継続計画などについても展開することができるかもしれません。

こうした事例ががこれからも増えてくるかどうかは分かりませんが、注目すべき動きではないでしょうか。

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2007年4月18日 (水)

不二家のその後

今年の新年早々の社会的な話題と言えば、やはり不二家の問題ではないかと思います。
このブログでも、問題発覚早々に取り上げていました(ペコちゃんが大変だ

その後、相次ぐバッシングや社長の辞任を経て、社内改革の末に、ようやく昨日には店頭に菓子製品も戻ってきたということです。
一時は倒産・廃業の危険もあったと思いますが、正直なところ、よくここまで持ちこたえたな、と思います。

今までの社会であれば、こんな企業はけしからん、ということであっという間に倒産していったと思います。
しかし、今回の不二家の件では、(1)実質的な健康被害がなかった(被害者からの訴えがなかった)という点と、(2)国民的ブランドになっている「ペコちゃん」の存在と、(3)過剰なマスコミ報道がかえって社会の目を冷静にさせた点、という3つがあり、今に至っているのではないかと個人的には思っています。
つまり、社会が組織を見る目というものが、少しずつ醸成してきたのではないでしょうか。

もちろん不二家という企業そのものに内在していた問題というものもあります。
これは4月3日に不二家から発表された「信頼回復対策会議」の最終報告書にも掲載されていますが、社内に根付いていた風土に起因するところが実際に大きかったようです。

ただ、今回の事件の発端となった”内部資料”が、外部の戦略系コンサル会社の作成した報告資料であったという点などはあまり知られていないところです。
(きちんと発表しなかった不二家の不手際でもありますが。)
この報告書はPDFで閲覧することができるので、是非皆さまもご覧いただければと思います。

一方、特に「ペコちゃん」という国民的ブランドの存在は、予想以上の価値を持っていたように思います。
さほどこの点は注目されていませんが、日本を代表する洋菓子の1つを失ってしまうことに対する危機感が、不二家の再生という形に結集されたように思います。
そしてそれをしっかりと見守ろうという社会の機運もあったのではないでしょうか。

同時に、これも重要な視点ですが、マスコミ報道のあり方というものが再度注目されています。
不二家を巡る一連の報道の中で、特にTBSの報道には問題があったとして、上述の報告書においても明記されています。
そして今日、その報告を受けてTBSの社内調査の結果、不二家に対する謝罪が発表されました。

これは、マスコミは社会にとってセンセーショナルな事例だけを扱っていればいい、という時代がすでに終わっていることを示しています。
同時に、視聴率中心の報道姿勢の再考が求められると共に、誤った報道に伴うリスクがさらに強調されているように思います。
言うまでもなく、フジテレビの番組に関するねつ造問題も、これに類すると考えられます。

不二家の一連の事件が残した教訓を通じて、我々の社会がどのように成長できたか、というところが問われているのではないでしょうか。

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